80周年グアムリバレーションデーと慰霊の7月

昨年は台風マーワーの影響で控えめだった、リバレーションデーのイベントでしたが、今年は、節目の80周年という事もあり盛大に行われました。その7月12日のパレードまでにグアムの各村ではそれぞれの想いと祈りを込め慰霊が行われました。

グアムとの絆をより強いものへと石神総領事は積極的にほぼすべての慰霊スケジュールに参加されておりました。日本人会からは、権田、野口がそれに沿うように参加しました。
※慰霊月間のお写真はこちらから

慰霊式典スケジュール

7日島民を強制収容したマネンガン
12日旧日本軍が空港建設の為に強制労働させたバリガダ
15日米軍が上陸したアサン
16日子供達が多数参加したマンギラオ
16日ティナ、ファハで旧日本軍による村民の虐殺があったメリッソ
17日村民が強制収容所に行進させられたイナラハン
19日村民の子女が旧日本軍により暴行、虐殺されたアガット
19日アガニア大聖堂での礼拝、スペイン広場での統合メモリアル
21日80周年のリバレーションパレード

これらに参加して改めて心に上書きされたのは、戦争により日常の生活が破壊され、犠牲となった島民の「許すけれど忘れない」という思い。父、母、兄弟、娘、息子等の肉親が犠牲になり今も癒えない心の傷。その惨状から解放してくれた米軍への感謝の思い。その中を生き抜いてこられたマナムコ(年輩者、特に戦争サバイバー)への敬愛の念。その方々が解放から80余年を生き抜き今日のグアムの礎を築いたことを実感させられました。
その方々がチャモロ哲学「INAFA’MAORIKU」(イマファマオリク)という共生、調和を重んじる精神を持ちながら日日、日常茶飯事を一生懸命にこなし、クオリティライフを実現すべく生き抜いてきた結果が、グアムの地政と相まって日本との絆も構築されてきたと思います。
生き抜く中で子供にもこの哲学を繋いできたが故に我々日本人の「和」の心と共振して共存ができ、互恵関係を築き日米安全保障の地政上の重要拠点として共に役割を果たせる関係になったのだと思います。戦争サバイバーのマナムコの方々が日々安泰な暮らしを願い生き抜いてきたが所以に戦争という悲惨な歴史の事実をそれだけにとどめず、未来への意味ある価値に変えてくれたのだと思います。それがあって今のグアムがあります。私達が生活しているグアムのマナムコに感謝と敬愛の念が深まりました。

それは日本においても同じで、どの歴史のスパンを切り取っても同じだと思います。
この地で戦争を含め、命を落とされた方々への「尊し」という思いが募ります。
慰霊月間は私に、生きぬけばこそ過去の歴史の意味を変えられるということと、自分自身に繋がっている祖霊へありがたさを思わせてくれました。

グアム日本人会会長
権田 正

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