2024年 新年のご挨拶・総領事より
新年のご挨拶
在ハガッニャ日本国総領事 石神留美子
明けましておめでとうございます。新たな年を迎え、会員の皆様には健やかにお過ごしのこととお慶び申し上げます。
思えば昨年4月末に着任した時、私はまだ新型コロナウィルス接種証明書を手に、マスクをつけてグアム空港に降り立ちました。その後まもなく水際規制も終了、さあパンデミックが終わり観光も日本との交流も本格的に再開だ、と思った矢先に台風マーワーの直撃を受けてしまいました。島の皆さんやグアム在住の日本人コミュニティの皆さんの、台風に負けない辛抱強さを目の当たりにし、グアムを早く深く知ることができた気がします。
7月になって様々な行事が再開されましたが、解放記念日は印象に残っています。台風後の復旧のため、旧日本軍占領下で悲惨な出来事があった12の村での慰霊祭は行われず、各村に赴き献花をすることは叶いませんでしたが、ハガッニャで行われた合同慰霊祭では、村の代表と遺族、米軍代表、領事団、そして政府関係者による献花が行われ、主催者の計らいにより私は領事団の先導役として献花を行うことができました。合同慰霊祭には日本人会の皆さんにもご一緒にご参加いただきました。
そして11月の秋祭りは大成功で、3万9000人が集まったとのこと。台風の被害を乗り越え、日本人コミュニティの様々な方々が協力し、グアムの皆さんが本当に楽しみにしている本格的な祭りに参加させていただきました。今日の日グアム関係は、総領事館だけではとてもできない活動を、日本人会が50年以上の長きにわたって行ってきたおかげだなあと、心の底から感じました。
さて、今年こそは、パンデミック、そして台風からも立ち直り、グアム経済の根幹である観光業の本格的な再興に期待したいと思います。2019年の来島者数は約167万人、2023年の推計は65万人から67万人の来島者数とのことですのでコロナ禍以前に比べるとまだまだですが、日本人観光客を含むグアムへの観光客は少しずつ戻りつつあるとみられます。
長年グアムに根を張って活動してこられた日系企業、特に観光分野の企業の皆様は、コロナ禍により日本人観光客が激減したため大変苦しい経営を強いられてきたことと存じます。連邦政府のコロナ救済交付金も利用したグアム政府の補助金であるLEAPⅡ(Local Employers’ Assistance Program)については、本年1月半ばにも申請手続きが開始するといわれており、関係企業の皆様がこのような制度も積極的に利用し、営業を続けていくことができるよう、当館としても引き続き協力して参ります。
また、日本人渡航者が増え、観光を始めとする経済活動が活発になれば、皆様に領事サービスを提供する当館の役割も増して参ります。館員一同、心を引き締め、領事業務の適切な運営を今後とも行って参りたいと思いますので、どうぞ忌憚のないご意見をお聞かせくださるようお願い致します。
本年が益々皆様にとって良い年となりますよう、心からお祈り申し上げます。