秋祭り開催記念・連載コラム第三回

10月は3回に分けて秋祭り実行委員の想いをお届けしております。

第一回目はこの度の秋祭りのスローガンを考案した、グアム日本人会理事・デリグイン平尾恵子さんにその言葉に込めた想いを綴っていただきました。第二回目は、秋祭りの実行委員長・冨江高広さんに全体の方向性についてインタビューをしました。

最終となる第三回目は、日本人会の副会長であり、教育部長、そして、秋祭りの実行委員会ではスポンサー担当の主幹でもある時任佐絵子さんに、お一人で何役もこなされているその熱意を解き明かす如く、質問にお答えいただきました。

第三回 日本人会・教育部部長、秋祭り実行委員会・スポンサー担当主幹として

    時任 佐絵子さん

【質問1】

秋祭りをスタートしたルーツを辿ると「日本のあのお祭りの楽しさを在住日本人の子供たちにも体験させてあげたい!」という願いから始まっています。学校とお祭りとの関係性についてお聞かせください。


私も、「あのお祭りの楽しさ」を幼少の頃の鮮明な記憶として持つ、日本人の一人です。 お祭りは、間違いなく一年で一番楽しみな日でした。私の住む町内会はそれほど大きくありませんでした。それでも、夏祭りが始まる1週間前から大人たちが何かしら忙しく動き始め、ジャングルジムがやぐらに変わり、テントが張られ、毎日遊んでいた公園が祭りの会場に変わっていく様をワクワクしながら見守っていました。 当日は浴衣を着ることができる喜び、夜に輝く提灯の美しさ、その日だけは同級生たちと夜遊びが許される背伸びした気持ち、そして炊き出しのカレーライス、これらすべてが忘れられない思い出です。

そして、大人になった今、祭りの準備を手伝う側に立つようになり、初めて気が付きました。仕事の合間にやぐらを組んでくれたあのおじちゃん達がどれほど汗をかいたか、集会所で炊き出しのカレーを作り続けてくれたお母さん達や、ヨーヨー釣りを用意してくれたおばちゃん達がどれほど大変だったか。それでいて、今でも思い出すのは彼らのエネルギッシュで生き生きとした笑顔。

何十年も経った今、ようやくあのおじちゃんやおばちゃん達への心からの感謝の気持ちが湧いてきます。あの最高にかっこ良かった大人達がしてくれた事を、今度は私が子供達にお返しする番です。お手本にして頑張りますから、見守っていてくださいという気持ちです。

学校、つまり、子供達とお祭りとの関係は、単純に子供らしく楽しんでほしい、それだけです。小難しい事を考える必要も、大人たちに感謝する必要もないと思っています。

 子供達よ、ただ思いっきり楽しんでほしい!

いつの日か、この子達が大人になった時に、「あの秋祭りの楽しさを自分の子供達に体験させたい!」と思ってくれるなら、そしてその思いからこの秋祭りを次の世代に伝え続けてくれるなら、そして、その準備が大変だと感じた時に、記憶にある私達の姿がささやかな支えになってくれるなら本望ですが、大人としてはその言葉を口にしません。

武石前実行委員長から、この様な言葉を頂戴しました。

「秋祭りの準備は大変だけど、自分が楽しくなければ、お客様は楽しくない。準備にかける時間と労力は、秋祭り当日の皆さんの微笑んでいる顔を見れば、それで報われます。自ら楽しみながら、笑いながら頑張ってください。成功を祈念します。」

子供達の記憶に残るのなら、笑顔の私達であるべきです。かつて子供だった私達も、思いっきり楽しもうではありませんか!

【質問2】

垣根を越えて実行委員、スポンサー様を募りケアするご担当をされていますが、グアムのコミュニティーの為にはどのように展開していきたいか理想がありましたら、現時点の想いをお聞かせください。


予算規模や入場者数など、数値で測れる要素を縦軸とした場合、私たちの秋祭りはその記録を更新し続けてきました。歴代のスポンサーの皆様方のご支援と、諸先輩方のご尽力の賜物だと心から感謝いたします。しかし、現在がその縦軸の頂点であり、日本人会の会員数の減少が示す通り、今後の成長は難しいと感じています。

一方で、コミュニティー間の連携や浸透を横軸と考えた場合、秋祭りにはまだまだ発展の余地がありそうです。「相互貢献・相互発展」という目標を挙げられた冨江実行委員長と思いは同じです。この壮大なモットーを具体的なアクションに転化し、秋祭りの場で目に見える形で実現するためには、相当な創造力、決断力、行動力が必要です。

今後も秋祭り実行委員会の皆様と協力し、横軸に焦点を当てた展開を追求し、スポンサーの皆様やコミュニティーの方々に愛され続ける秋祭りでありたいと思います。

木村元実行委員長から、この様な言葉を頂戴いたしました。

 ‘If you want to go fast, go alone. If you want to go far, go together.‘

 「早く行きたければ、一人で進め。遠くまで行きたければ、みんなで進め」

この言葉を実行委員会の皆様と共に実践し、私たちの秋祭りを築いていくことが、私の理想です。


時任さん、ありがとうございました。

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