私の体験・思い出シリーズ~4月~(投稿者 H.H.)

春になると思い出す

もう40年も前のことになってしまいましたが、忘れられない思い出があります。大学4年の時、就活の思い出です。当時は、オンライン面接などあり得ない時代で、第1次選考は大きな会議室に集められて、書類の提出でした。どういう訳か1次選考をパスして2次選考へ進みました。この時点で既に10分の一に絞られていましたが、運だけの選考ともいえます。

2次選考は、10名くらいのグループでの面接です。朝9時集合でしたが、目が覚めたのは8時20分。会場までは普通に行くと40分程度かかるところでしたので、かなり絶望的でしたが、タクシーを飛ばして3分前に駆け込みセーフでした。タクシーを降りてから会場まで走ったので、リクルートスーツの中は汗だくでしたが、涼しい顔をして面接に臨み、何とこちらも通過できました。ここでさらに半分に絞られていました。

第3次は、最大の山場である英会話面接です。2次面接の際の反省を活かして「絶対に寝坊はしない」という緊張感から、なかなか寝付けず、2時になっても3時になっても目がギンギンとなって全く眠れそうにありませんでした。ここは開き直って「このまま寝ないで行こう」と一睡もせず面接に臨みました。

面接では、まず面接官から「英語以外に話せる外国語はありますか」と聞かれ、第2外国語でドイツ語を専攻していたので「ドイツ語が喋れます」と回答しました。すると「では、ドイツ語で1から10まで言ってください」と言われましたが、極度の緊張で舞い上がってしまい、全く思い出せなくなってしまいました。あとから思えば、自分が入っていたクラブの掛け声は「Eins、Zwei、Drei」でしたが、それすら思い出せない舞い上がりようでした。そして、極めつけの質問は、「あなたは、今朝何時に起きましたか」です。上述の通り、その日は徹夜でしたので、起きた時間がなかったのです。頭の中は、「えー、俺、今朝は起きていないんだけど、、、」と、一層パニックになってしまいましたが、何とか冷静さを取り戻すことが出来て「Six o’clock」と嘘の回答をして切り抜けることが出来ました。この程度の対応で3次もパスして、最終の役員面接も通過し、何故かかなりの高倍率の試験をくぐり抜けることができました。

入社後、数年経って自分が面接官をすることがあり、「昨日はよく眠れましたか」と聞いてみましたが、みんな結構ぐっすり眠れたそうです。
<投稿者H.H.>

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