アロマテラピー(京谷由香)
私が携帯しているもののひとつで、グアムのほうに不思議がられるものがあります。それは、モバイルアロマ。アロマオイルを染み込ませたコットンが入っている人差し指ほどの大きさのカプセルです。蓋をあけると、いつでもお気に入りの香りが楽しめます。
アロマオイルは、植物から採れるエッセンシャルオイルです。それぞれの香りにそれぞれ効能があり、選びきれない位たくさん種類があります。こういう効能のものが欲しい、という選び方もありますが、色々とお店で実際嗅いでみて、これだ!とピンときた香りが、実はその人にとって一番必要な香りだったりします。
アロマオイルは、私達を悩みから助けてはくれません。ラベンダーで肩こりは治りませんし、ペパーミントで眠気はとれません。ですが、問題を自分の努力で解決する姿勢のとき、アロマオイルはスパイスとして味方になってくれます。
数年前にCPAの試験を受けていた時、(4時間程の試験だったかと思います)試験時間後半で出てきた問題があまりに難しく、「もういいわ」となった時(もういいわけないのですが)。手首につけていた、ローズのアロマオイルで作った練香水の匂いを嗅いで気分が変わり、文字通り生き返りました。生気を取り戻し、最後まで諦めずに試験に取り組むことができました。
最近のお気に入りは、ラベンダーをバスタブの底に数滴落として、シャワーを浴びることです。簡単ですし、基本的にアロマオイルは原液に触れてはいけないのですが、ラベンダーはケガなどに直接つけても良いオイルなので、足の裏につく位なら安心です。
アロマオイルは歴史も古いらしく、ミルラという香りは、乳香と一緒にキリストに捧げられたそうです。このミルラは瞑想にも使われるらしく、精神を研ぎ澄まさせるそうです。
私は、日本からこのミルラと、ローズを持ってグアムに来ました。
こんなに歴史あるアロマテラピーですが、ローカルの方に特に珍しがられて、効果を説明すると「あなたの体が心配だ」と言われたことがあります。確かに、アロマオイルに頼っている位では心配されても良いかもしれません(笑)。
ローズもミルラも、傷ついた心を癒してくれるそうです。特にローズは女性に幸福感をくれるとのこと。かつてこの二つにピンときた私は、傷ついていたのでしょうか。今でも分かりませんが、どちらにせよ、生活を豊かにしてくれるのですから、大事に使っています。
京谷由香