👉第11回ランタンフローティングフェスティバルに出席して

グアム日本人会
会長 冨江 高広


2025年9月27日(土)、グアム日系アソシエーション主催による第11回ランタンフローティングフェスティバルが、タモン湾に面したイパオ公園(Governor Joseph F. Flores Beach Park)にて開催されました。夕暮れに差し掛かる心地よい潮風の中、今年度グアム日本人会会長として私も参加・列席させていただきました。

このイベントは、日本の伝統行事である灯籠流しを想起させるもので、参加者それぞれが大切な人への想いや未来への祈りをランタンに書き込み、中央に蝋燭を灯し、海へと送り出します。黄昏時に無数の灯りが海面を漂う光景は幻想的で、時が静かに流れていくような、不思議な安らぎを感じさせてくれました。来場者にお渡しするランタンの準備にあたって、現場ではグアム国際日本人学校から生徒・先生・保護者・関係者の皆様にもお手伝いされていました。

セレモニーはチャモロの伝統歌で幕を開け、精霊への祈りが厳かに響き渡りました。ドルフィンジャンプ太鼓塾による力強い太鼓演奏では、当会会員でもある3名の見事なパフォーマンスが披露され、会場は一気に熱気に包まれました。来賓挨拶では、在ハガッニャ日本国総領事館 上田晋総領事が温かい祝辞を述べられました。また、ゲストがご自身の家族の経験を語られました。

祈りと追悼、そして希望を込めて灯りを海に託すその姿には、会場全体が静かに耳を傾けていました。

やがて1つひとつのランタンが波打ち際から海に流される頃には、空は茜色から深い藍へと移ろい、タモン湾沖のシルエットが幻想的な舞台のように広がっていました。灯籠は風に押され、波に揺られながら、まるで見えない力に導かれるかのように沖へ進み、不思議と同じ方向にまとまっていきます。私はその様子を見つめながら、精霊の存在を感じずにはいられませんでした。

今回、私自身も他界した親族や知人を偲びつつ、「これからもどうぞ私たちをお見守りください」と書き込ませていただきました。ランタンが静かに海へと流れていくのを見つめながら、胸の奥にあった思いが海を渡り、空へ届いていくような感覚に包まれました。

ランタンフローティングフェスティバルは、単なるイベントにとどまらず、グアムという多文化社会の中で、日本文化の精神性を大切にしながら、世代や国籍を超えた人々が祈りを共有できる貴重な場だと改めて感じました。普段の生活の中ではなかなか味わえない「心の静寂」や「人と人とのつながり」を実感することができ、私にとっても忘れがたい時間となりました。

このような素晴らしい機会を毎年企画し、運営くださるグアム日系アソシエーションの皆様に、心より感謝を申し上げます。       

以上

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