クリスマスドロップ作戦 70周年(投稿者 Y.S.) 

「2021年クリスマスドロップ作戦」70周年を迎える

つい先日、80年前の太平洋戦争の口火となった真珠湾攻撃の日が訪れ、過ぎました。丁度同じ頃、グアムでも米国国防総省が行っている最も長い人道的空輸活動プログラム「クリスマスドロップ作戦」が記念すべき70年の区切りの年を迎えました。 

太平洋戦争が終結して7年後の1952年、米国空軍機B-29(気象偵察航空隊所属)が、ハワイからグアムへの帰路、赤道近くの島を通過していると、搭乗員が眼下で飛行機に向かって手を振る島民に気付きました。丁度クリスマスシーズンだった事もあり, 急いで身の回りにある物資をかき集めると、その袋をパラシュートに取り付け島に向け投下しました。これが「クリスマスドロップ作戦」の始まりです。 

ミクロネシアはその言葉通り小さな島が多数点在する太平洋中西部の地域で、無人島が多く、港湾設備のある島は非常に限られており、ましてや、不定期であっても船が停泊出来る島は数多くはありません。そのため、外界から遠く離れ楽しみの少ない島の人々にとって、一年に一度の「クリスマス・ドロップ」はクリスマス、感謝祭等を一纏めで祝うよりももっと大きな心待ちのイベントとなります。 

「クリスマス・ドロップ作戦」は、日本の横田基地にある米国空軍を中心とした合同イベントで、「ベースキャンプ」となるグアムのアンダーセン空軍基地、グアム大学、さらに作戦のための募金と寄付物資収集を担当する非営利団体「クリスマス・ドロップ委員会」の協力で行われます。 

「クリスマス・ドロップ作戦」にはC−130輸送機が使用され、搭乗員がミクロネシア諸島に箱詰にされた“空から愛の贈り物”を配布する一方、この地域全体で頻繁に発生する台風等の自然災害に対応したり、戦場に必要物資をピンポイントで配布する為の低コスト・低高度の空中投下技術を習得する訓練にもなっています。 

さらに、「クリスマスドロップ作戦」は、多国籍空輸訓練へと発展し、アメリカ空軍横田基地からの空輸中隊と共に、22015年からは、航空自衛隊小牧基地からのC-130輸送機やオーストラリア空軍 (RAAF)、ニュージランド空軍(RNZAF)が参加して、合同で空中投下訓練を実施しています。 

2021年はプログラムが始まってから70年目という記念すべき年で、前年にはコロナの関係で贈り物がミクロネシア連邦に投下できなかった事もあり、寄付金で購入した食料品、医療・医薬品、漁具と寄贈された物資(各種防水シール、梱包資材等)約4万トンを、200個(例年の25%増し)の梱包箱に詰め込んだパッケージが、24回の飛行でミクロネシア連邦、パラオ共和国、北マリアナ諸島連邦(船便での配布)など3万6千人が住む57の島々にパラシュートで送り届けられました。 

70年の記念すべき人道的プログラムは、贈り物の質と量で記録破りの成功を納め終了しましたが、今後も長く続いていく事と思われます。来年以降、寄付・寄贈等で興味がおありの方は是非この人道的プログラムにご参加いただけると幸いです。 

お問い合わせは lsakamoto@latte.net 坂元までお願い致します。 

クリスマスドロップ作戦やOperation Christmas Dropで検索されると内容が掴めます。 

70周年(2021)の動画 
https://www.facebook.com/Andersen36WG/videos/70th-annual-operation-christmas-drop-kicks-off-dec-6/268943101952482/ 

70周年(2021)箱詰め作業の動画 
https://www.facebook.com/Andersen36WG/videos/operation-christmas-drop-2021-bundle-build/1291381024623443/ 

<投稿者:Y.S.> 

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